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〒367-0103 埼玉県児玉郡美里町阿那志1147

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カラムナリス病(鰓腐れ病・鰭腐れ病・口腐れ・皮膚のカラムナリス病)

滑走細菌類の一種であるフレキシバクター・カラムナリス(Flexibacter columnaris)が感染して発生する。各鰭、口吻、鰓弁の先端や体表に、細菌のコロニーである黄白色の付着物が出現し、鰓腐れ病(鰓病)、鰭腐れ病、口腐れ病、皮膚のカラムナリス病という病名で呼ばれる。外観症状は水かび病にも似るが、患部に菌糸が見られないことから識別できる。

発症時期

水温14~15℃で発生し、20℃以上の高水温時に多い。主に春から秋にかけて発病するが、加温越冬では冬でも発生する。夏季の稚魚や当才魚では、急速に進行し、死亡率は高い。





鰓腐れ病

鰓腐れ病は、泳いでいる姿だけで発見するのは困難で、注水口に寄っているとか、鰓蓋内に白いものが見えた場合に、鰓蓋を持ち上げて観察することが必要。何となく元気がない、底に沈んでいる、餌の食いが悪くなった、フラフラ泳ぐなど、多少おかしいと感じた時には鰓腐れ病と疑ってみる。
初期には、鰓の先端や一部だけが白くなり、または鰓弁に黄白色の小さい付着物が出現し、粘液の異常分泌が起きる。次に鰓弁はうっ血し、暗赤色となり、小さい出血点が多く現れる。食欲低下、動作が緩慢になり、群れから離れるようになる。
重症になると、池底に沈んだり、横転したり、時には狂奔して泳ぎ、壁にぶつかって死ぬこともある。欠損部には泥や水生菌が付着して汚い感じがし、鰓の組織は崩れて軟骨だけになってしまう。
鰓の付け根が白く変色したり、鰓蓋を開いた時に鰓が白く見えるようになる。眼球のくぼみやむくみが起こり、ここまで進行すると、遊泳時にもそれとわかるが、手遅れになることが多い。

口腐れ病

口腔や口部周辺が赤または黄色の炎症を起こす。進行するとただれ、眼球のくぼみや腫れぼったくなり、口吻の先端から黄色、灰白色に変色し、患部組織はぼろぼろと崩壊しやすくなる。発病魚は食欲が衰え、注水口に寄ったり、物陰で静止、または水面を浮遊し、群れから離れていることが多い。摂餌ができないため衰弱、排水部に寄って死に至る。

鰭腐れ病

各鰭が赤く充血し、先端部から徐々に白く変色し、溶けたようになり、簡単に発見できる。進行すると鰭膜が溶けて、鰭条部分だけが残り、箒状になる。伝染力が非常に強く、重症の場合は全身に感染し死亡する。
初期のうちは遊泳の異常などは見られない。

皮膚のカラムナリス病

体表に白色、淡黄色の付着物が付いたように見える。進行すると体表が白い粘膜で覆われ、脱鱗や粘膜の剥離が生じ、白いボロ布を着たようにぼろぼろになる。また、魚体はむくみ、体を擦り付けたり、ローリングしながら水面を漂うか、静止する異常遊泳が見られる。この場合は手遅れで死亡することが多い。最初から皮膚感染することもあるが、多くの場合は鰭腐れ病、鰓腐れ病、口腐れ病などが先行する。とくに幼魚に発生しやすく、眼球のくぼみを伴い、浮腫症のような症状になる。





治療

【薬浴】
  • エルバージュの短時間浴……水1トン当たり50~100gの薬浴、4時間
  • エルバージュ+食塩の薬浴……水1トン当たり、テラマイシン30~50gと食塩5㎏の薬浴、7~10日間。水温が高い時は薬を少なめに、低いときは多めに使う。エアーレーションを併用。
  • テラマイシンの短時間浴……水1トン当たりテラマイシン250gで4時間の薬浴。水温の高い時は薬を少なめに、低い時は多めに使う。病魚が少ない場合には別の容器で行う。エアレーションを併用。水温を18℃以上に上げたほうがよい。
  • テラマイシン+食塩を池全体に散布……水1トン当たり、テラマイシン30~50gと食塩5㎏の薬浴、7~10日間。水温が高い時は薬を少なめに、低いときは多めに使う。エアーレーションを併用。
  • パラザンD+食塩の薬浴……水1トン当たり、パラザンD100mlと食塩5㎏で10日間の薬浴。薬液が汚れたら交換する。





【経口投与】

餌を食べるようなら経口投与と薬浴を併用して治療する。
経口投与は初日に多めに与えて血中濃度を急速に高め、2日目からは薬の量を減らし、5日間程度与える
  • テラマイシン散の経口投与…1日に魚体重1㎏当たり100~500㎎。
  • パラザンまたはパラザン油剤の経口投与…パラザンは1日に魚体重1㎏当たり0・1~0・2gを5~7日間。パラザン油剤は1日に魚体重1㎏0・1~0・5mlを5~7日間。
  • エルバージュの経口投与…1日に魚体重1㎏当たり0・5gを5日間。

【治療上の注意】

鰓腐れ病の病魚は呼吸困難になっているので、できるだけていねいに扱い、
余分な運動をさせないように注意をする。

予防

予防には、病原菌を観賞池や養殖池に持ち込まないことが必要。


錦鯉の病気│治療法


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